待つヒェリンには大

そして待ちに待ったチェ・ヨンからの
書簡が漸く届いた

浅黄の一見質素に見えるが上質の
紙に綴られた、
武骨な武人には似つかわしくない
丁寧な書体にヒェリンの胸は高鳴っていく

だが、その中身を読んだとき、
ヒェリンは愕然としてしまった
奈落の底へと落ちるとは正にこの事かと
思うくらい、天から地へと落とされた

チェ・ヨンからの返答は、
縁談の申し入れを断る内容だった

"折角の申し入れ、御断り致す"

この返答はヒェリンにとって到底受け入れがたい、
納得出きることではなかった

決して自分が、チェ・ヨンの周りにいるであろう
数多の女人達に見劣りするとは思えない
寧ろ、その中でも最上級だろう
家柄だって悪くはない
姻戚関係になってもチェ・ヨンを
支えていけるだけの力はあると思っている

なのに、何故、断られるのか

「分からない・・・」

親指の爪をきりきりと噛み、
部屋の中をうろうろと動き回りながら、
ヒェリンはひとり鬱々と考えていた

辺りはヒェリンの足音と
外からの喧騒が聞こえてくるだけ

暫くうろうろと歩き回っていたが、
急にぴたりと立ち止まると
考え込むように首を垂れ微動だにせずにいる
その異様な様子に、
そばに控える侍女は言葉もなく俯いていた